副題

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2016年10月31日月曜日

長期自転車旅行の旅の要素技術 - 異文化対応能力  2/2

自転車旅行に必要な旅の要素技術の異文化対応能力の追加解説 です。


前回は好奇心、探究心を持てば、受け入れることができる現象は広がると書きました。
例えば「人間とは何か」の問いに対し、自分なりの解を見つけようと、探究心を持ち旅をすると、人が行うあらゆる行為に興味を持つため、一般的に不快なことも含め興味を持つことができ、そこにいることに価値があると感じられます。


しかし、この興味深いと感じられる物事にも限度があり、人によりその幅は異なります。不快、不衛生、不誠実、不当、無礼な人や犯罪等もあり、場合によってはとても受け入れることができないこともあるのが現実です。


訪問先の人々の不誠実、不当、無礼さに何か改めるようにできるかというと、大抵は衣食足りずに礼節がなく、根本的な教養不足、といったすぐにどうこうできることではないため、その場で解決できないのが一般的です。(注:あくまで日本人の価値基準で話を進めてます)


そして、そのような状況の地では現時点で「この地はそいう世界」と捉えざるを得ないのが現実で、ある程度何か対応策を考えるものの、それ以上事態を悪化させないよう、無駄に疲弊しないよう上手くやり過ごすしかないのが実情ではないでしょうか。


そのような不当、不誠実、無礼な事をあまり受けたくない人は、事前に情報収集し、そのような傾向がある地へは旅行しないことが対策になると思います。しかし、少しでも好奇心がある場合には一つの体験やチャレンジとして行ってみることをお勧めします。
エチオピア名物、子供の石投げ。
写真では見えにくいが、坂の下のほうに10名前後の子供がおり、石を投げてくる。
幸いに羊飼いの青年に助けを求めると静止してくれた。
他の国では、これ程の広範囲にこのようなことは無く、良いものではないが興味深い行為。
不誠実や不当、礼節が無いような状況の地での対応策は無いようなことを書きましたが、一つだけ対応方針の提案をすると、「江戸の敵を長崎で討たない」が対応方針の一つになると思います。これは不快、不当、無礼な思いをさせられた場合は、そのした相手当人に反論なり、文句をその場で、すぐに直接行い、他に八つ当たりするべきではないということです。


ある程度は国民性や教育制度、税制、社会保障の関係で「○○人は○○だ」のように一般化できる部分もありますが、当事者でない他の人達やその国、地域を一般化し、筋違いな報復感情を持ち、報復の連鎖や自らが不当な人になるのを避けるためです。

2016年10月26日水曜日

長期自転車旅行の旅の要素技術 - 異文化対応能力 1/2

自転車旅行に必要な旅の要素技術の異文化対応能力の解説 です。


自分が捉えている枠組み、家族や地元、学校や職場といった枠の内側は自分なりに勝手を知り、当たり前のことを当り前と思い、その場の一般的なことを常識として捉えてます。
そして、自分が認識している属性から離れ、普段の活動領域から遠くなるにつれて、勝手が分からず、自分が思っている常識が通じず、自分にとり当たり前の世界ではなくなってきます。一般にこのような状態になると、寂しさや戸惑い、不安を感じます。
自分が捉えてる枠組みとして国境のように明確な場合もあれば、非言語表現の積み重ねを捉えたような不明瞭な場合もある。
このような自分が捉えている世界から離れることは、同時に、今までにない新しい世界に入って行くことになります。ここで自分なりに新しい世界で気分を高揚させながら、今迄知らなかったことを知り、新しい友人や知人を作り、自分なりに活動領域を広げていくと、自分の世界が広がり大抵の人は自然と喜びを感じます。


これは自分が捉えている枠組みを離れ、新しく広がりのある枠組みを構築することですが、新しく広がった枠組みを自分自身で把握できず、新しい地での属性や活動領域を築けなければ、前の枠組みから離れた感情だけになり、寂しさや戸惑い、不安を感じることになります。※


旅の場合、これらの感情は離愁や旅愁と表現される場合があり、旅という行為は自分の属性を離れるが故に、それ自体に愁いを内包していると言えます。その為、この愁いに対抗するように、新しい旅先では自分の世界が広がっていくのを積極的に捉え、新たな地へ進むことに喜びを感じるようにします。


この自分の世界を広げ、新たな枠組みを捉えよう、把握しようとする積極性は旅好きだと大抵は自然と備わってますが、この際の原動力として好奇心、探究心を持つと自然と新たな世界に興味が湧き、楽しみながら新たな枠組みを捉えることができます。


そのため、旅を楽しむ上ではこの好奇心、探究心が基礎となります。この基礎としての好奇心、探究心を持ち、自分なりに旅行中の様々な現象を捉えようとすれば、自分が受け入れることができる文化の幅は大幅に広がり、楽しみながら世界を巡ることができます。
木の胴には燃料用の牛糞ケーキが貼られている。
好奇心の連鎖が起きれば飽きることなく旅が続く。
(撮影地 インド)

※人によっては日本の環境が合わず、日本出国の際は開放感であふれ、寂しさや戸惑い、不安をあまり伴わない方が現実にはそれなりにおり、人によっては日本を去るのが開放感しか感じない方もいるようです。この開放感は開放されると達成され、次の目的が曖昧な場合は、時が経てば自分の枠組みや居場所を再認識し、上記の寂しさや戸惑い、不安といった感情に近くなると思います。





2016年10月23日日曜日

長期自転車旅行の旅の要素技術 - アウトドア能力 3/3

自転車旅行に必要な旅の要素技術のアウトドア能力の解説 3回目です。


・食とストーブ
食に関しては安い食堂や惣菜、缶詰等があればそれらを利用しますが、それら以外では自炊することになり、普段から料理をこなし自然と自炊がこなせるように慣れておくと、旅の苦労感を減らせ、食の質や、量の面で豊かさを感じながら旅ができます。
地元の食事は楽しみな場合もあれば、残念ながら口に合わない場合もある。
そのような状況でも自炊ができると食事にありつける。
写真 盆の上に敷いてあるのがエチオピアの主食 インジェラ、味はゲロに似て好みが分かれる。
自炊ができると自分の食事以外にも役に立ち、現地で御世話になった方々に日本食を振舞うこともでき、これは大分喜ばれるみたいなので、手に入る食材で日本食ができるようにしておくと旅も面白くなると思います。


自転車旅行中、食で大きな役割を持ち重要なのがストーブの使用になります。前にストーブを紹介したブログを再度参照して頂き、ストーブを特別に意識することなく自由に使え、メンテナンスも通常の使用方法と捉えることができるようになると、食のみならず生活空間が安定し、体調面、精神面の維持でも非常に役に立ちます。
雄大な風景を前にして、ストーブを使い温かい食事や熱いコーヒーが飲めると非常に贅沢で自転車旅行の良さが感じられる。
(撮影地 ヨルダン)
ストーブ選定の追加情報ですが、アルコールストーブはプレヒートなしで音が静かな点が評価できますが、燃料のアルコールは単位熱量当りの値段はガソリンと比べ約10倍、熱量当りの容積は約2倍になるので、アルコールストーブは燃料の価格や運ぶ手間を考えるとお勧めできません。




・衣類
衣服ではアウトドアウェアが役に立ち多くの人が使用しています。高速走行を目的としたサイクルウェア類は普段着としての両立や高価な面もあり一部の人が使用している感じです。


実際のウェアリングでは汗をかかない程度の薄着をし、寒がりな人の場合、走り始めが厚着でも面倒がらずに小まめに停止し服を脱ぎ体温調整を行います。これにより、汗を最小限に抑え汗冷えを防ぎ、さらに汗臭くなるのを最小限にし、面倒な洗濯の回数や量を減らすことができます。


自転車走行の特徴としてアップダウン時の急激な体温変化がありますが、その対応策としては前のブログを参照頂ければと思います。その他に紫外線対策衣類と着替えの枚数パンツ(ズボン)も参照下さい。それと、旅が長期に渡る場合は洗濯する回数も増えるため、洗濯に対する耐久性やそれに代わる入手性と安さ、現地購入性も考慮に入れた衣類の選択をします。
速乾性素材は乾燥が早まるため、値段は高めだが十分見合う機能です。
(撮影地 クロアチア)

2016年10月19日水曜日

長期自転車旅行の旅の要素技術 - アウトドア能力 2/3 

自転車旅行に必要な旅の要素技術のアウトドア能力の解説 2回目です。


・テント泊地選定能力
長期の自転車旅行を続ける上で重要なのが睡眠を十分にとることで、睡眠が十分に取れるかどうかが自転車旅行の成否を左右します。十分な睡眠が取れないと寝不足になり、前に述べたようにブラック企業に勤めてるかのような状態になり、旅が困難を極めます。体調不良のときも旅を中止するか、或いは大幅にやり方を変えるべきかの判断もこの睡眠がとれてるかどうかが判断基準になります。


睡眠は主に宿とテント泊でとりますが、宿のうちベッドの質や清潔度、虫等の問題がある場合もあります。その場合、自分で睡眠環境を整えないといけないため、広い意味でアウトドア活動と捉え割り切って対応し、宿内にテントを張る場合もあります。


次にテント泊ですが、テント泊で必要になる要素は・テント泊地選定と・自分に合った寝具の選定があります。寝具については前にブログで取り上げたのでそれらを参照下さい(マット寝袋テント、ついでにペットボトルシャワーも参照下さい)。


テント泊地選定能力は寝る場所を確保する上で非常に重要な能力になり、これが上手くできないと暗い道を走り続けたり、安眠に適さない場所を選んだり、地元の方を不安にしたり、職務質問を受けたりすることになります。暗い道を走ってると、事件・事故に巻き込まれる危険性もあります。


そのため、可能であれば国内の自転車旅行で、このテント泊地選定能力をある程度まで高めておくと安心かもしれません。日本だと道の駅がよく利用されてますが、それらは他国では見られないので、意識して使わないようにすると訓練になるかもしれません。ある程度慣れてくると、地図を見て地形や道路、町や村の密度からある程度は検討がつくようになります。現地走行中では人々の活動パターン(遊牧があるか、車か徒歩移動か等)や景色、町並みを見ると、自然と良さげな場所がわかりテント泊地の選定ができるようになります。


慣れないと、人によっては大分苦労し、暗くなると光が灯るカフェやレストランに吸い寄せられ、そこで閉店するまで居座り、閉店後は街をさまよい適当な場所で夜をやり過ごすのがあるようです。これでは体が休まらず、睡眠も十分でない状態になります。ある人はテント泊地が見つけられず毎日生きるか死ぬかのような必死な感じだったと述べてるくらいです。


始めのうちはどこにテントを張ればいいか分からない選定作業も自転車旅行を意識して進めている内に徐々に慣れてきます。選定するための大きな要素として人(治安、人口密度(訪問者や人工音含む))、自然物(地形、植生、気候)と人工物(キャンプ場、ガソリンスタンド、公園、宗教施設等)があり、これらの組み合わせで選定します。


一般に人が周辺に居ない場所でありながら、下地が整地されてる人跡のある場所や、反対に人がそれなりに居る道路沿いのガソリンスタンドや食堂がテント泊地に適する傾向があります。自然が残ってる場所では乾燥地帯を除き、植生の影響を受けて下地が適地でない所が多い気がします。そこら辺は、事前の情報収集でその地を通った自転車旅行者のブログなどが参考になりますので、事前に読み込んでおくことをお勧めします。


治安が悪い場所では寝込みを襲われるテント泊は避け、可能なだけ宿に泊まるようにします。宿がない場合は人目がある24時間営業のガソリンスタンドや整った広めの家の庭先に御願いをするとテントを張らしてもらえる場合が多いです。


それらがない場合は警察へ行き相談すると中庭や駐車場、場合によっては宿直室等を使わせてくれる場合もあります。難しい状況になるのが警察が協力的でなく、旅行者を歓迎しない国もあり、そのような場合はそのような状況にならないよう常に前もって対処する行動をとることが非常に重要になります。


以下、写真と共に実際のテント泊の例と解説です。欧米文化圏ではキャンプ場がいたるところにあり、自転車旅行ではよく利用しますが、今回は省いてます。

本来のテント泊とは違いますが、宿に泊まる予定で街中まで来て泊まれず、非常に困った状況の例です。
写真は町に着いたが高いホテルと外国人不可の宿だけで仕方なく公園泊。
テント泊が見つかると面倒になる場合は事前に別の場所で夕食を済ませておき、暗くなり、寝るときだけテントを張り、撤収も早めに行うと面倒になりにくいです。
(撮影地 イラン(写真後方チャドルを着て運動してるイランらしい朝の風景))

本来のテント泊とは違いますが、宿に泊まる予定で街中まで来て泊まれず、非常に困った状況の例です。
写真はそれなりの大きさの町に着いたが宿がなく、町の治安確認を兼ね警察署へ相談に行くと近くの公園が安全で、テント泊するのに問題ないと言われテント泊。
(撮影地 シリア、内戦前)



本来のテント泊とは違いますが、宿に泊まる予定で街中まで来て泊まれず、非常に困った状況の例です。
写真は宿がどこも満室でさんざん街中を走った後、宿主に御願いし屋上にテント泊させてもらう。
(撮影地 エジプト)


人家が途切れない場合は村の中へ入って行きテントを張る許可を得てテントを張る。
自転車旅行者の中にはテント泊説明を分かり易くするため、テント泊の写真をプリントアウトして持ち歩いてる人もいる。
(撮影地 モザンビーク)


人口密度が高い場所では、治安やそこに住む人々が旅人やよそ者に対する態度により注意深さが違ってくる。
人口密度がある程度あっても上手く死角になる場所と日没を意識するとテントが張れる。
(撮影地 スイス)





水が干上がった涸川はテント泊に最適な場所が多い。遠くからは見えないことがあり、地図や現地の地形を読み取ると見つけやすい。
注意点は上流に雨が降ると、その地で雨が降ってなくても水が襲ってくることです。
乾季で確実に雨が降らない場合は平気ですが、雨季や雨季と乾季の境目は注意が必要。何名かの自転車旅行者も、実際に被害に遭っています。
ユーチューブにあった参照映像です。


平坦な地形でも枝道を使い本線から離れるとテント泊地になる場所がある。
写真のテント上方の黒い点は本線上にある大型の除雪車。
(撮影地 米国)
一見、平坦に見える大地でも凹凸はあるのでそれらを上手く見つけると人目に付きにくい場所にテントを張れる。
写真の中央、少し見える青色がテント。
(撮影地 オーストラリア)

砂漠性の気候では一般に昼間に強風が吹き、夜には止むパターンが多い。
平坦に見える地でも数百メートルから数キロ離れると、道路からテントがかろうじて見えなくなる場合がある。
この写真のときは砂地ではなく所々出てる礫石を伝い道路から離れた。
(撮影地 スーダン)




平坦な場所でも人工物でテントを隠せ、風をよけれる場合がある。
パイプライン埋設のための土盛りそば。
(撮影地 チリ)

地形の変化では土砂採取地のように人口的なものもありテント泊地に利用できる。
このような凹地は遠くからは見つけにくい。
(撮影地 アゼルバイジャン)


切通しの上部は人目に付きにくい。
(撮影地 フィンランド)



地形によっては雄大な眺めがあり、自転車旅行の良さを感じさせてくれる。
(撮影地 米国)



広大な収穫後の農地にテント泊。
(撮影地 カザフスタン)
広大な果樹園の端にテント泊。
(撮影地 イラン)


ヨーロッパ、特に独、東欧、北欧では平地に多くの森がある。
定期的な伐採用の林道がよく発達しており、その奥へ行くと良いテント泊地がある。
(撮影地 ロシア)

ヨーロッパでは自動車が通らないサイクリング道が整備されており、その周辺はテントを張りやすい。
(撮影地 フランス)


道路の直線化で廃道となった場所もテントを張りやすい。
(撮影地 ギリシャ)


堤防や海のそばは風が強い時が多く、テントを快適に張れる日は多くない。
(撮影地 アイルランド)
日本の河川敷は公共地で護岸整備されてる場所が多いが、海外では私有地で自然のままのため、テントを張れない場合がある。
川のそばで一晩過すと、テントに結露することが多い。
(撮影地 チェコ)


橋や高架下は雨はかからないが、通過する車の音がうるさい場合がある。
(撮影地 オーストリア)
道路下の横断暗渠の中は雰囲気は悪いが、強風の中や選択肢がない場合には非常に助かる。パタゴニアのように地域によってはよく利用されている。
(撮影地 米国)



ガソリンスタンドは自転車旅行者によく利用される。
特にアルゼンチンやチリは設備が整いキャンプ場のような場所もある。従業員も自転車旅行者に親切な場合が多く、今後も続けられるようマナーやお礼の挨拶はしっかりやっていきたいところです。
(撮影地 アルゼンチン)

宗教施設は敷地が広く許可を得てテントを張れる場合が多い。注意点として教会、モスク、寺の本体には泊まらないようにするべきで、モスクなどは空調付きで地元の人が寝てることはあるが、地元の人から誘われた場合は別とし、自分から中で泊まろうとするのは慎むべきだろう。
(撮影地 モザンビーク、教会)


補給が容易でないエジプト西方砂漠の道路沿いにある救護施設。
このような設備は事前情報を得ておかないと分からないので事前調査が重要なになります。
(撮影地 エジプト)

マウスの実験では寝不足が続くと脳が破壊されたままになると聞いたことがあり、実感としても健康には良くないと感じます。寝不足の旅だと、重要なその場を感じる感度も落ち、何の為に旅してるか分からなくなります。そうならずに旅を楽しむためにも、上記の例を参考に睡眠環境を確保するコツを修得すれば、余裕のある旅ができると思います。




2016年10月13日木曜日

長期自転車旅行の旅の要素技術 - アウトドア能力 1/3

自転車旅行に必要な旅の要素技術のアウトドア能力の解説 1回目です。


・アウトドア能力
この能力は治安さえ許せばどのような環境でも生存でき、各人の生活体力の弱さを補完しながら、一定の生活環境を整えることができる能力です。
アウトドア能力が向上すると、自信を持って活動領域を広げることができる。
(撮影地 チリ)
長期自転車旅行者にとって生活体力と並び、旅行の継続を左右する重要な能力で、この能力がないと環境によってはそこへ居る事自体苦労することになり、苦労で済めばいいのですが、状況により困難にさえなり自転車旅行が苦難に満ちた苦行の様相になります。


アウトドア能力は生活体力や運動体力のように今さら変えることが難しい能力ではなく、道具(衣類や即席物を含む)の選定とその使用方法の習得、それと様々な状況をこなした経験値になり、本人のやる気と行動力で向上する能力です。


アウトドア能力は生活体力だけでは対応できない環境下で、
道具類(衣類や即席物を含む)を選定し、使用する能力。
(撮影地 カナダ、-30度の走行でフェイスマスクを選定し、使用)
そのため、長期の自転車旅行のトレーニングとして何かやりたい人にはアウトドア能力の向上をお勧めします。日本では幸いにも四季があり暑い日や寒い日、雨や風、雪の日、直射日光が当る状況等、様々な状況を経験できます。それらの体験を通し自分なりに装備や状況判断に反映させておくと海外の自転車旅行でも役に立ちます。


一般に、経験値は「失敗の経験」とも言い換えることができ、アウトドアでは道具の選定ミス、取り扱いのミス、状況判断ミス、うっかりミス等があり、些細なミスでも折り重なると些細ではなくなります。これらの失敗による困った経験や後悔をすると経験値が出来上がり、似たような状況でミスを思い返し、過ちを繰り返さないようになります。


このような失敗の体験を通した意識の変化が、堅実で安定性のある行動へと結びつき、日々移動し毎日違った土地を訪れる不安定な環境の自転車旅行では、この経験値が安定した生存環境の構築に繋がります。


そのため、最初は失敗しがちなアウトドア活動も面倒がらずに改善し、食事や衣服の影響、自分にとり睡眠を維持する寝具類の選定等、自分の特性を把握するように努め、対処していくとアウトドア能力は向上していきます。結果として治安さえ許せば、世界中のどこでも生存できる、実践に基く根拠のある自信ができ上がります。


実際には上記のように難しいことを考えずに、アウトドア活動を楽しみながら経験値を積み上げていけばいいと思います。


中には自転車旅行を急に思い立ち、短期間にアウトドア能力を高めたい人もいると思います。その場合は、わざと判断を失敗した状況や困難な状況を作り出すと、ある定度短期間にアウトドア能力を高めることができます。具体例として、雨が降る夜ライトを付けずテントを組み立て泊まったり、雪上にテントを立て雪から水を作り寝袋無しで泊まったり等々をすることにより、一定の経験値は急速に高まります。

雪上キャンプを一度でも経験しておくとアウトドア経験値は向上する。
(撮影地 カナダ)

次回はアウトドア能力の2回目で衣食住の解説を行います。



2016年10月10日月曜日

長期自転車旅行の旅の要素技術 - 運動体力

自転車旅行に必要な旅の要素技術の運動体力の解説です。


自転車旅行の運動体力だとそのまま自転車を走らせる能力になり、この能力が高いと一日の走行距離が延び、早く目的地に着き余裕のある旅程が組めます。一方、体力がない場合でも競技スポーツではなく、旅なので、自分の体力に合わせ、いたずらに人と比べずに自分に合った旅程を組み旅を楽しむようにします。


自転車競技等を経験され、既にそれなりの走りができる方はその走りをして頂き、ここでは、自転車走行経験があまりない方、脚力があまりない方がどのようにすれば走破できるか、現実的な方策を少し紹介します。


事前に日本で鍛えておきたい場合、純粋に脚力だけだとホームトレーナー(ローラー)の類が非常に有効で効率よく鍛えられます。自転車旅行全体から見ると短期旅行でもいいので実際に旅を行い、自分の疲れや体調が想定範囲内かどうか、特にテント泊や峠越えの後に自分の状態がどうなるのか、見通しがつくようにしておくと実際の旅行では役に立ちます。幸いにも?日本は山がちなのでテント道具を持ち、山岳地帯をうろうろすると非常に有効な練習になると思います。
テント泊や峠越えは体力が試され、その後の体調把握が重要になる。
(撮影地 シコ峠標高4,079m)
実際の長期自転車旅行の場合、ほぼ連日の走行になり自然と足を酷使します。脚力があまりない方の場合、大抵、疲労が回復を上回りオーバーワークに陥りがちです。脚を鍛えて向上させたい場合は「休むのも練習のうち」と言われる通り、オーバーワークにならずいかに体を休ませるかになり、いかに休憩をとり走行距離を延ばすか、疲労で膝等の故障をどのように防ぐかが重要になります。この考え方は苦行的な自転車旅行を求めてる方とは違う方向性になります。


具体的には前にも紹介した折りたたみ椅子を持参し、適宜使用し休憩を取ることが非常に有効です。これがあるとないとでは、疲労の具合は全く違う様相になり、特に、休む場所がない無補給区間や負荷が強い峠越えの時に、自分のペースで休めると疲労の具合は大幅に違います。
折りたたみ椅子があると下地が砂地でも休憩をとりやすい。
(撮影地 ナミビア)
それと、ストレッチをやったことがない方であれば、ストレッチをできるようにしておき、休憩や就寝前には必ず行い疲れが溜まらないようにします。テント選びも、ストレッチができることが重要になるので、ストレッチができるスペースのあるテントを選定します。
テント選びはストレッチができる広さ高さがあるかが重要なポイント。
(撮影地 ジョージア)
膝に故障が起きないようにするには上記のストレッチに加え、立ちこぎを行わず、軽いギアで回すようにします。アップダウンがある道の登り返しでも、勢いに乗り重いギアで踏まず、シフトを下げて膝への負担を抑えます。この方法は特に年配者にとって膝を痛めない有効な予防策です。


疲れが溜まった時は休養日を入れるようにします。実際の泊まる場所には質的にばらつきがあり快不快があるのが現実です。きっちり日にちを決めて休むのではなく日程に余裕を持たせ、泊まった宿やテント場が快適であればそのまま延泊や翌日の午前の半日を休むようにすると快適な休養になります。日にちを決めて休むと、決めた日の宿やテント場が必ずしも快適でなく、せっかくの休みが休養にならない場合があるからです。
予想外に温泉バスタブがあり、延泊を決定した貸切状態のホステル
(撮影地 米国 Mundo Hot Spring )
実際の長期自転車旅行者の場合、人にもよりますが、ある程度まで運動体力があれば、それ以上は必須ではない能力で、運動体力より前回のブログの生活体力や次回のブログのアウトドア能力のほうが重要になってきます。もちろん、あればあるだけ有用な能力なので、普段から自然と自転車に乗れるように自転車環境を整えておき、楽しみながら鍛えるといいと思います。




2016年10月7日金曜日

長期自転車旅行の旅の要素技術 - 生活体力と体調不良

長期自転車旅行に必要な旅の要素技術で生活体力とそれに関わる体調不良の解説です。


・生活体力
基礎的・体質的な体の強さで、自転車旅行を完遂する上で非常に重要になる体の強さです。環境が変化しても病気にかかりにくい、体調を崩しにくい、持病、故障経験(古傷)がない体で、基本となるため運動体力より重要度は上位になります。


一般的に運動体力が高い人は生活体力も高い傾向にありますが、一部にそうでない人もいるようなので注意が必要です。一方、運動体力が弱く、体育会系的アピールがない人でも、生活体力が強い人はなんだかんだ言いながらも走破してしまう人もいます。


重要な点として自分の特性を把握し、現実的に対処していくことが肝要になりますが、日本のように一定の生活環境が整った国の人が、異国の地で長期の自転車旅行を行うとどうなるか、事前に全て把握できないことを理解しておく必要があります。砂漠性気候の走行、富士山より高い地での走行、不衛生な食事しかない場所等、このような場所での体調変化は事前に把握できない分、現地では周辺の状況と自分の状態を、適宜、冷徹に判断することが重要になります。こんな筈はないと無理をすると事態を悪化させることになります。
高い標高は暑さと同じで、人によってはそこに居るだけで体力を消耗する。
特に慣れてない年配者は大分苦労するようです。
(撮影地 ペルー 富士山より高い場所を走行するナスカ~クスコへの道。)
生活体力は元々の体質・持病・故障経験(古傷)で根本的に大きく改善できない事柄ですが、暑さや寒さ標高等、馴れることができる部分もあります。それらを考慮に入れながら、自分の生活体力の特性に合わせた情報収集、ルートの選択と対策を行えばかなりの国は走破可能です。




・体調不良について
生活体力が弱いと体調不良を起こしがちですが、体調不良の原因として暑さや寒さ、湿度、標高、衛生状態といった環境状況に加え、飲食物や肉体的、精神的な疲労、これに睡眠不足が加わり、複合的に重なり体調不良の原因になります。ここでの複合的の意味合いとしては原因が不明瞭という意味もあり、はっきりしない体調不良の原因をあれやこれやと恨めしく思い浮かべるのは長旅だと度々あることです。


不衛生な飲食物による食当り、水当りが一般的に多くの体調不良(下痢、腹痛、嘔吐)の原因となり生活体力の差が出やすいところです。その他に長期の炭酸飲料のがぶ飲み、香辛料や油っぽい料理による胃の疲弊、長期の栄養価の低い食事による免疫力の低下等が体調不良の原因になります。恐らく、腹が丈夫だと旅中のかなりの体調不良は防げる気がします。
衛生状態に気を付けたいが、判別するのが難しい場合や、選択肢がない場合もある。
(撮影地 ベトナム)
肉体的疲労に関しては、疲労と寒さで免疫力が低下し、体調不良になるのが自転車旅行ではよくあります。具体的には峠越えや向い風で疲弊し、下り坂や雨で体が冷え体調不良(発熱)になるケースや、長期的な疲労状態で寒冷な土地を走り、免疫力の低下で体調不良(咳)になるのもよくあり、寒冷な地を走り続ける限り治らない場合があります。
それと、長期間連日の走行では靭帯が緩み、脚に弾力がなくなり、膝や腰を痛めることもあるので、元々故障がある人はもちろん、健康な人も注意が必要です。
峠や山道では疲労と体の冷えで体調を崩しやすくなるので注意が必要。
(撮影地 オーストリア)
精神的な面では治安状況や不衛生な環境、不誠実・排他的な人々、劣悪な交通環境が原因になり、特に行先の治安状況が悪い場合には精神的に強い負荷がかかります。精神面での疲労は因果が明瞭でない場合もあり、当人の希望的観測もあるため、気付かない、気付こうとしない、気付いても気付かぬことにする面もあるため難しい判断になります。長期間の精神攻撃を受けると、旅の意味合いにも疑問が生じ、精神的に疲弊し体調不良の原因になるので注意が必要です。


体調不良は大抵、試行錯誤で対処しているうちに、原因がはっきりしないまま治るのも多いです。中には原因が不明確で病院へ行っても解決せず、精神的な疲労を感じ、長めの休養、厳選した食事等の対策を、色々と、さんざん行ったにも関わらず、結局体調不良が治らない場合も中にはあります。


このような場合、広く体調不良の原因を捉えると、その地で自転車旅行をすること自体、体調不良の原因と言わざるを得なくなります。そうなると、解決策としては、他の地で自転車旅行をするか、その地で自転車旅行を止めるかがあり、実際の対応策としては一旦自転車を置き、訪れたかった観光地等をバックパッカーで巡り、他の優しい土地へ転進し自転車旅行を再開するのが良策だと思います。


これは自転車旅行と当初の目的から離れる行為ですが、自力で身動きが取れなくなる前の現実的な対応策で、このような対応策を考えておく事により、出発時や旅中でも安心した行動が可能になります。飛行機代に糸目を付けなければ一時帰国し、その後に転進するのも一つの方法だと思います。





2016年10月3日月曜日

長期自転車旅行の旅の要素技術の大まかな説明

前回のブログで述べた自転車旅行に必要な旅の要素技術の概説です。


・生活体力
基礎的・体質的な体の強さです。自転車旅行を完遂する上で非常に重要な要素で、環境が変化しても病気にかかりにくい、体調を崩さない、持病が元々ない等の体の強さです。特に不衛生な環境に耐性があるかが重要になります。
不衛生に対する体質はすぐに変えられるものではなく、難しい対応になる。
(撮影地 スーダン、レストランの下ごしらえ風景)
・運動体力
自転車旅行だとそのまま自転車を走らせる体力になります。あればあるほど行動範囲を広げられ、ない場合でも旅なので良い様に捉え、現実的な対応をし、旅を楽しむようにします。
体力がなくても事前調査と準備を綿密に行うと、補給区間が長い場所でも走破できる可能性はある。
(撮影地 トルクメニスタン)
・アウトドア能力
どのような環境でも衣食住が自力で確保できる能力で、特に睡眠と食事を賄えるかが重要になります。道具の選定と使用方法習得、それと場数の経験によるので、能力に関係がなく、やる気があれば伸びる能力です。自転車旅行の事前対策で何かやりたい場合はこのアウトドア能力向上を一番に勧めます。
アウトドア能力が高まると生活の質が維持でき、余裕のある旅ができる。
(撮影地 カナダ)

・異文化対応能力
異なる文化が自分にとって良くても悪くても、好きでも嫌いでも、対応できる、またはやり過ごしたりできる能力。日本ではあまり経験しない人種差別・黄色人差別の対応も含み、広い意味で好奇心と探究心が旺盛な態度をとれるかどうかです。
トイレ文化も色々あり興味深いと捉える。写真はトイレの使用を啓発する壁絵。
(撮影地 インド)
・語学・コミュニケーション・情報収集能力
色々と余裕がない方は事前の情報収集が重要になってきます。それと、語学やコミュニケーションは実用面もさることながら人々との交流や異文化理解の促進ツールとして旅を豊かにしてくれます。


・自転車メンテナンス技術
これができると毎日快適に走行でき、総合的に快適で安上がりな旅になります。(宣伝:完成車購入頂ければ当店で無料で習得可能です!)
自分でメンテナンスできるとメンテナンスする楽しみと、
自己完結できてる充実感が得られる。
(撮影地 エジプト)
・資金力
上記の各要素の能力が十分でなくてもお金で解決できる部分はある。特に年配者はこれを頼みに自転車旅行をやってみてはいかがでしょうか。

・自転車に乗ること自体が好き
旅の技術ではありませんが、旅を楽しみながら続ける上で重要な要素になります。


以上が大体の概説になりますが、前回のブログで言う①初級チャレンジは上記の要素ができるようになると初期の困難さを超えられ、早く抜けられればそれだけ、その地でしかできない観光や社会見学、交流に時間を割くことができ、③の上級チャレンジへも移行できます。