副題

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2016年12月19日月曜日

長期自転車旅行の旅の要素技術 - 事前情報

前回から日が経ちましたが、途中だった長期自転車旅行の旅の要素技術で、今回は事前情報についてです。

事前情報は大まかに分けて◎走破に必要な情報と◎楽しむための情報になります。

◎走破に必要な情報
ビザ情報、治安・衛生、道路状況、宿、気候、現地の慣習等が走破に必要な情報となり、これらの情報は前もってある程度集めておく必要があります。特に馴染みのない宗教や慣習上のタブーは、必ず事前に把握しなければなりません。

事前に情報をぬかりなく収集しておけば、それだけ楽に、無駄なく走行でき、安定感のある旅ができます。特に初心者や年配者、あまり体力がなく無理がきかない方や、初めての訪問国や文化圏では、事前の情報収集の重要度が増すことになります。
初心者や年配者、あまり体力がなく無理がきかない方は、宿を事前に調べておくことをお勧めします。
宿は基点となり精神的にも物理的にも頼りになります。
(撮影地 レバノン、バールベック遺跡を宿から眺める)
もし事前に情報収集をしておかないと大分苦労し、本人だけの苦労で済めばいいのですが状況によっては地元の方々の迷惑になります。

-走破に必要な情報と旅の冒険性や困難性
自転車旅行に冒険性や困難性を求める人の中には、未知なる土地を求めるが故、下調べをしないことで未知なる状況を作り出し、冒険性や困難性を演出して楽しむ人もいるみたいです。この未知なる状況は冒険気分を盛り上げ面倒な情報収集をしない気軽さもあり、うまくいけば楽しめます。

しかし、走破に必要な情報を制限するので自然と走破に困難が生じ、場合によっては予定通りの旅ができなくなります。途中で走行を切り上げることになれば、最終的な活動領域や体験量や知識量が期待と違った結果になる恐れがあります。

旅は各人の趣味なので、たとえ活動領域が狭く、予定通りに行かず、ぐだぐだの状態になっても、最終的には各人の判断で良いように解釈し楽しめばいいと思います。

ただ事前の助言としては、それでいいのかどうか、情報を制限した困難性に価値はあるのか、稚拙感はないのか、事前に情報収集しておけば活動領域が広がり、体験量や知識量が増えたほうが良かったとならないか、自分が旅に求めることと照らし判断する必要があると思います。

◎楽しむための情報
観光地や名所旧跡、社会状況や食文化、宗教芸術や景観等が楽しむための情報となります。事前情報がある場合とない場合、それぞれに利点と欠点があり、どちらがいいかは旅に何を期待しているかにより違います。

-事前情報がある場合の利点と、ない場合の利点
事前に情報を集めておけば、見所を逃さず効率よく多くの場所を回れ、深みのある見聞ができ、体験や知識を増すことができます。一方、事前情報を得ずに走った場合、気軽で開放感があり、そして、観光名所や見所を「発見」するサプライズ的な楽しみができます。

この状況はちょうどトレードオフの関係になり、事前情報が豊富だと深みのある見方ができ、反対に、無知であればあるほどサプライズ的な「発見」をする機会が増えます。

-事前情報がある場合の欠点と、ない場合の欠点
情報が多い場合の欠点として、事前に情報を集めることは勉強と同じなので情報収集を面倒に感じ気軽な楽しさを奪います。それと、事前に情報があると現地では既視感があり、あまり楽しめない場合があります(※)。反対に情報が少ない欠点として、観光地や見所を見逃してしまい、場所によっては何が見所でどのような価値があるのか分かりにくい場合もあります。

実際の旅行では大自然や解説板がしっかりしてる世界的な観光地では、事前に準備しなくても現地でそれなりに解説板があり、見た目でそのまま楽しめる傾向があります。

一方、ヨーロッパに多い歴史的な名所旧跡の類は事前情報がないと見つけられず、見つけても解説板がなければ何の意味があるのか分からないことが多いので、事前情報を得ておかないと楽しめない場合が多いです。
点から線、線から面、それに時間軸を加え把握すると、その地の理解が深まる。
(撮影地 ドイツ) 
旅の情報収集と寄る場所の取捨選択は旅をしている限り、帰国の直前まで常にある悩みの一つとなります。実際の旅ではあまり考えを固定させず、自分の興味や状況、気分に合わせ事前情報の収集に強弱をつけて旅をするのがいいのではないでしょうか。

※自転車旅行は自力走行のため一定の労力が必要で、人にもよりますがこの労力に対し報いを一定度求めたくなります。事前情報の後追いで現地で既視感を感じる旅より、自分の走行とサプライズ的に「発見」した知識の獲得が一致すると、自転車旅行に報いを感じます。
ただこのサプライズ的な「発見」による知識の獲得は、上記欠点のように無知に頼り、運任せで、見所を逃すことになるため、上記ヨーロッパのような場所によっては事前に情報収集をし、サプライズ的な知識の獲得に頼らないほうが、旅全体で見た場合は旅を楽しめると思います。