ここで言うメディアリテラシーはウィキペディアに載ってる「物理的な制約」を認識し、物理的な制約があるメディアから得た認識と現実から得た認識は違うことを理解することです。
これはよくあるメディアリテラシーのメディア間の違いや読解力、主体性を持つことや「メディアは疑ってかかれ」がありますが、それらより一回り大きい枠組みで上位に位置します。
一回り大きい枠組みとは、対メディアやメディア間ではなく、メディア対現実の違いのことで、たとえ正しい情報でも、物理的な制約のため現実とは相違があるということです。
具体的には自転車旅行の際、ガイドブックや旅行者のブログ、ウィキペディアや映像等の各種メディアから、事前や事後に情報を得ますが、それらと実際に行った場所との違いを認識することです。
このメディアと現実の相違に繰り返し接することで、次にメディアから情報を得た際に自然と「メディアと現実には相違がある」となり、よく言われるメディアを「疑う」や「信じる」の前段階で一定割合の適切な距離感を持った接し方、理解ができるようになります。
例えばアフリカを実際に走ったとき、事前に得ていた情報と「間違いではないが違う」と感じ、次にニュース等でアフリカを扱った映像が流れた際、その映像と現実の違いを感じ距離感を持ち接することができます。
そして、それを応用し他の地域のニュースを見たとき、同じように今映っている映像を「疑う」や「信じる」以前に現実との違いは当然として捉えることができ、メディアの見方が自然と多角的で深みが出るようになります。
メディアの物理的制限がメディアの限界になりますが、メディアには有効性もあります。
多くの場所や事柄、過去の出来事など全てを自分自身で現場体験できるわけではないので、メディアに頼らざるを得ません。これはローカルな地を多く回れる一方、時間がかかる自転車旅行をしていれば、メディアとメディアリテラシー向上の有効性を非常に実感できるのではないでしょうか。
所詮はメディア、されどメディア。
各メディアによる認識と、現実による認識とがどの程度の違いがあるのか脳神経学者が数値化してくれれば自転車旅行や現場体験の有用性も数値化でき、はっきりすると思いますが、「Cone of Experience」のような、非科学的なのしかないのが現状のようです。
そのため、今回述べたメディアリテラシーを客観的に評価するのは難しいと思いますが、メディアと現場体験の両方から情報を得て、違いを認識する能力を向上させることは役に立つことなので、自転車旅行中に意識的に取り組んでみてはいかがでしょうか。そして、そのような体験、特に海外でローカルな体験ができる自転車旅行は非常に有用な活動ではないでしょうか。
現場体験が乏しい人にとっては物理的制約があるメディアの影響が相対的に高まり、現実とのズレが生じ易くなる。 (撮影地 ボツワナ) |
(ここからは推測ですが、メディアから得た認識と、現実の認識が同一の人もいるみたいで、信心深い人や甘言を真に受ける人、オカルトを信じる人などがそれに当たると思います。生得的な部分や無知、現状の環境もあると思いますが、恐らく幼少期から現場体験のみや、メディア体験のみ、といったメディアと現実の違いを認識する機会に乏しく、違いを認識する能力が十分に発達せず、メディアと現実の距離感が同一になるのではないでしょうか。)